【美容師監修】ヘアマニキュア(酸性カラー)とは?その特徴やメリット・デメリットをご紹介
ヘアマニキュアは厳密にいうと化粧品登録の薬剤なので、髪や頭皮への刺激はまったくありません
でも髪や頭皮に優しいんでしょ?
だったらヘアマニキュアについてもう少しく知りたいな~
ヘアマニキュアはオススメできない?
まず初めに結論からお伝えすると、一般的な日常生活への機能性を考慮した場合ヘアマニキュアはあまりオススメできません。
これはどういう事なのか?以下で分かりやすくその理由をお伝えしていきますね。
ヘアマニキュアは衣服への色移りが激しい
ヘアマニキュアは染料の大部分が髪の表面にくっつく(コーティング)だけなので、シャンプーすると必ず初めの2週間くらいは泡が染めた色になる色落ちが続きます。
それから、どんなにしっかりすすいでも自宅のタオルにマニキュアがついて落ちなかったりします。
しかも、マニキュアは大部分の色素が髪の表面をコーティングする(髪の中に色素が入らない)というその特性上、汗や雨に濡れた部分は色落しやすいという性質も持ち合わせています。
このヘアマニキュアの性質によって、以下のようなトラブルも当たり前に多かったんです。
- 地肌のオレンジ色が取れなくて心配
- 白いシャツの襟が赤く染まって台無しになった[/list]
地肌につけてしまうと当分落とせない!
ヘアマニキュアは地肌についてしまうとなかなか色が落ちません。
これは薬剤がイオン(マイナス電荷)の性質を持つ事によるんですが、簡単にいうとヘアマニキュアは施術時の地肌にも強烈に吸着しやすいという事でなんです
この性質によって、昔はこんな事が起きた事がありました。
- 施術中に流れたヘアマニキュアの薬剤で額が染まってしまった(加温中に薬剤が垂れていた事に担当が気づけなかった)
美容室側の不注意が原因と言えばそれまでなのですが、まだ知識の浅いアシスタントレベルの子が自分の代わりにヘアマニキュアをお客様に塗布するケースを考えたらこれはかなりの恐怖です。
一度肌に色がついてしまうと、リムーバーでこすっても全然落ちないのがヘアマニキュアなんですね
ヘアマニキュアのデメリットまとめ
ここまでの説明でも、ヘアマニキュアでのカラーリングは普段の機能面で考えるとオススメできない理由がご理解頂けたかと思いますが、他にもデメリットがあるのでまとめて紹介していきます。
ヘアマニキュアのデメリットは以下のようなものです。
- 衣服やタオルに色移りしやすい(雨に濡れたりした時も注意が必要)
- 黒い髪を明るく染めることができない(ブリーチ作用がない)
- アッシュやグレージュのような人気色が無い(ブリーチ効果が無いと実現不可能)
- 一度肌に染料がつくとすぐには落とせない
- 4週間程度しか色持ちしない(一般的なアルカリカラーは平均2ヶ月程度の持ち)
- ヘアマニキュアの色味に飽きてもアルカリカラーへのチェンジを簡単には行えない(マニキュア染料がなかなか落とせない)
このように、ヘアマニキュアにはヘアカラーとしての沢山のデメリットが存在しています。
現在も、一部で根強いヘアマニキュアファンの方もいらっしゃいますが、本人からの余程の希望が無いのなら、当店の場合アルカリカラーかハーブカラーをオススメさせて頂いています
ヘアマニキュアにはもちろんメリットもあります
ヘアマニキュアの悪い部分ばかりご紹介してしまいましたが、もちろん良い部分もあります。
ここではヘアマニキュアを使用する際のメリットをお伝えしていきますね。
ヘアマニキュアを使用するメリットって何?
黒髪を明るく染める事ができないヘアマニキュアですが、これは逆に言えば髪へのブリーチ作用が無いという事なので「髪への負担」がありません。
それから、刺激臭が無いのでヘアカラーの際の匂いが苦手な方にも気軽に使用できます。
特筆すべきはコーティングして染色する特性上、髪にハリやコシがでたような仕上がりに!
他にもメリットがあるので、上記を含めてまとめて分かりやすく紹介しますね。
- 髪への負担が無い(繰り返しても傷まない)
- 刺激臭が無いハリやコシがでたような仕上がりになる(酸性カラーの特性で髪が固くなる)
- 頭皮が敏感な人も気軽に使用できる
- ブリーチの後に使用するとクリアな発色をデザインできる[/list]
ヘアマニキュアは髪が傷まないなんて最高じゃないか!と思う方もいらっしゃるかもしれませんよね!
確かにそうなんですが、現在では1~3までのメリットはハーブの薬剤でもカバーできるように進化していて、頭皮が敏感な方や、特に髪が傷み安い方には、ヘアマニキュアよろも格段に色持ちも良いこちらの薬剤をオススメするのが当店では主流になっています。
日常生活の機能面も優れていますよ
ハーブカラーについて
ハーブカラーとは90%以上の成分が自然染料で作られていて、お水で粉の染料を溶かして使用し頭皮や髪に優しい薬剤です
ヘアマニキュアと同様に黒髪を明るくする事はできませんが、ヘアマニキュアで満たせるニーズは、ハーブの薬剤でも満たせるようになっています
ヘアマニキュアとアルカリカラー(おしゃれ染め・白髪染め)の違いって何なの?
美容室で一般的に使用されているヘアカラー剤はアルカリカラーという部類のものになりますが、ヘアマニキュアとアルカリカラーの特徴をグラフにまとめてみましたので御覧下さい。
ヘアマニキュア | アルカリカラー | |
色持ちの良さ | △ | ◎ |
髪を明るくする効果 | ✖ | ◎ |
頭皮への刺激 | ◎ | △(薬剤による) |
ヘアダメージ | ◎ | △(薬剤による) |
カラーチェンジの容易さ | ✖ | ◎ |
カラーバリエーション | △(流行の色が無い) | ◎ |
ヘアマニキュアへの理解は深まりましたか?
今回はヘアマニキュアについて詳しく解説させて頂きましたがいかがだったでしょうか?
一昔前は
- 頭皮が敏感な方
- 髪が極端に傷みやすい方
に人気だったヘアマニキュアも衣服やタオルへの色移り等の日常生活の支障によって、お客様や美容師側からも敬遠されがちになり現在では一部の根強いファンの方以外には利用されなくなっているのが現状です。
それから
頭皮が敏感、髪が痛みやすいという方のニーズに、ハーブの自然染料で対応できるようになっている事もヘアマニキュアを利用する方が減少している理由に挙げられると思います。
また、流行の色のバリエーションが少なく、髪を明るくできない事は現在の大部分の日本人のニーズに合わないから!とも言えるのかもしれませんね。
薬剤はどんどん進化してきていますので、今の時代にハーブカラーやアルカリカラーに機能面で劣っているヘアマニキュアを使用するする事にメリット(お客様と美容師の双方)を感じない。
というのが当サロンの本音です。
前述もさせて頂きましたが、ヘアマニキュアは一度色をのせてしまうと失敗したからといって簡単にはカラーチェンジできません。
安易にセルフカラーでマニキュアを使ってみよう!
なんていうのはもちろん厳禁なのでご注意下さいませ。